教授挨拶

徳島大学大学院医歯薬学研究部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野のホームページにようこそ！

2022年9月1日付で武田憲昭先生の後任として耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野を担当しております。当教室は昭和19（1944）年に白川吾一郎先生が開講された80年近い歴史のある教室で、私が第5代教授となります。このような伝統ある教室を担当させていただくことを大変光栄に思うともに、大きな責任とやりがいを感じております。

当教室の四国の伝統教室として果たすべき使命は、徳島県と四国における世界標準の耳鼻咽喉科診療の提供、リサーチマインドを持った優れた臨床医、指導医の育成、耳鼻咽喉科・頭頸部外科学の発展につながる研究であると考えています。2023年からは分野名を耳鼻咽喉科学分野から耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野へ改称し、教室が新たなステージに発展できるよう取り組んでいます。

耳鼻咽喉科・頭頸部外科は、首から上の脳と目を除くすべての領域を担当し、内科的な診断・治療から手術などの外科的治療、そしてリハビリテーションまで一貫した診療を行います。この領域には人間が人間らしく生きるために重要な機能を持つ聴覚、平衡覚、嗅覚、味覚などの感覚器や、摂食嚥下、音声言語、顔面表情筋などの運動器が集中しているため、治療による機能の改善と生活の質の向上を患者さん自身が実感しやすく、とても喜んでいただけるという特徴があります。さらに感染症学、免疫アレルギー学、臨床腫瘍学、遺伝学、リハビリテーション学など多彩な学問を習得することができます。

診療面では、耳鼻咽喉科・頭頸部外科の幅広い領域をカバーする専門外来を開き、徳島県の最後の砦として、すべての領域の難治性疾患の治療を行っています。ロボット手術、内・外視鏡手術、耳管ピン手術、アルミノックス光免疫療法、がんゲノム医療など最新の治療を積極的に導入し、良質で高度な医療を提供しています。教育面では、論理的思考を重視し、すべての領域の診療を行うことができる総合力と専門性を兼ね備えたワンランク上の臨床医、指導医の育成を目指しています。国内外の学会や手術コース、見学に積極的に参加してもらい、医局ではVRを用いた3Dシミュレーションや凍結遺体を用いたクリニカルアナトミーラボを活用することで、術前に十分な知識と確かな手術スキルを体得してから手術に臨むことができるトレーニングシステムを導入しています。研究面では、基礎研究および臨床研究ともに重視しており、教室員の大学院進学や国内外への留学を積極的に支援しています。大学院生は基礎研究室で世界最先端の研究に触れながら、基礎から臨床へのトランスレーショナルリサーチの実現を目指しています。

当教室では教室員が一丸となって、高いレベルの医療で患者さんを幸せにする、そして医師も幸せになれる、そんな誇り高い教室を目指して取り組んでいます。一人でも多くの学生、研修医の皆さんが我々の理念に共感し、日本そして世界の耳鼻咽喉科・頭頸部外科学の発展のため、我々と共に歩んでくれることを願ってやみません。