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睡眠時無呼吸

1. 閉塞性睡眠時無呼吸症候群の中咽頭の動的狭窄の評価法の開発とスクリーニング検査への応用

A. 閉塞性睡眠時無呼吸症候群の中咽頭の動的狭窄の評価法の開発

閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の発症には中咽頭の狭窄が重要であり、主に解剖学的な静的狭窄が検討されてきた。しかし、中咽頭は可動性に富む器官であることから、中咽頭の動的狭窄もOSASの発症に重要であると考えられる。覚醒時の経鼻ファイバースコープを用いて中咽頭の動的狭窄を定量的に評価する方法を開発した。

次に、睡眠ポリグラフ検査から測定したapnea index(AI) と最大中咽頭面積,中咽頭狭窄率を比較した。AIは静的狭窄の指標である最大中咽頭面積と有意の負の相関を認め,安静呼気時の中咽頭面積が小さいほど無呼吸が起こりやすいことを意味している。一方、AIは動的狭窄の指標である中咽頭狭窄率と有意の正の相関を認め,中咽頭の可動性が大きいほど無呼吸が起こりやすいことを意味している。以上の結果から、OSASの発症には中咽頭の解剖学的な静的狭窄だけでなく,軟部組織の可動性による中咽頭の動的狭窄も関与していると考えられた。

B. 閉塞性睡眠時無呼吸症候群の中咽頭の動的狭窄率のスクリーニング検査への応用

OSASの確定診断には睡眠ポリグラフ検査が必要であるが、OSASが疑われる患者は多く、全症例に検査を実施するのは現実的ではない。睡眠ポリグラフ検査が必要なOSASのハイリスク群を外来での検査により選別することが求められている。我々が開発した中咽頭の動的狭窄の評価法を用いて、睡眠ポリグラフ検査前のスクリーニング検査が可能か検討した。

外来でのスクリーニング検査として確立するためには、簡便であることが必要である。そこで、中咽頭の動的狭窄の指標である中咽頭狭窄率のカットオフ値をファイバースコープのモニター画面から視認可能と考えられる50%に設定した。次に、静的中咽頭狭窄の指標である最大中咽頭面積に代わる簡便な指標としてBMI(body mass index)を検討した。最大中咽頭面積とBMIは有意な負の相関を認めたため、BMIを静的中咽頭狭窄の指標として用いた。BMIのカットオフ値を日本肥満学会で肥満と定義される25とし、中咽頭狭窄率が50%以上またはBMIが25以上をOSASのハイリスク群として選別すると、OSASに対する感度が88.5%、特異度が69.6%となることになり、睡眠ポリグラフ検査前のスクリーニング検査として有用であると考えられた。

C. 睡眠時無呼吸症候群のスクリーニングとしての自覚的眠気評価法ESSの有用性

OSASに伴う昼間の眠気度をESS(Epworth sleepiness scale)で評価し、マススクリーニング法として用いることができるか検討した。 OSAS 患者の ESSスコアーは、健常人および単純いびき症患者に比べて有意に高い値を示し、AHIと有意の正の相関を認めた。ESSは、OSASの重症度の指標として用いることができると考えられた。カットオフ値をESSが11以上またはBMIが25とすると、 OSASに対する感度が72,0%、特異度が70,0%であり、OSASのマススクリーニング法に用いることができる可能性が示唆された。

2. 手術機器による扁摘術後疼痛の比較検討

4種類の手術機器により口蓋扁桃摘出術を行い、術後疼痛を比較した。その結果、cold knife、コブレーター、ハーモニック・スカルペル、電気メスの順に疼痛が少なく、手術時間から見た機器の使いやすさと相反した。

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