ヴァーチャルリアリティー(virtual reality: VR、仮想現実)を用い、前庭機能障害患者の姿勢制御の視覚依存性が低下させて体性感覚情報への依存性を増加させる新しい平衡訓練を開発している。
赤外線CCDカメラによる眼振の画像から3次元画像を再構築し、眼球の回転軸を解析、病巣である半規管を同定することのできる眼球運送解析法を開発した。臨床検査機器として市販を目指している。
メニエール病に対する内リンパ嚢開放術を内耳に薬物を投与するルートと考え、内耳にステロイドを投与する治療法を開発した。
徳島大学耳鼻咽喉科では、ナローバンドUVB(狭帯域中波紫外線)を発光するLEDを用いたアレルギー性鼻炎に対する新規治療法を開発している。ナローバンドUVB療法は、308-313nmの狭帯域のUVBの光を蛍光管により全身の皮膚へ照射し、皮膚のアレルギー疾患を治療する光フォト治療である。我々は、日亜化学と共同で310nmのUVBを発光する小型LEDの開発に成功し、花粉症などのアレルギー性鼻炎を治療することを目的として研究を進めている。
ヒスタミンH1受容体遺伝子は、アレルギー性鼻炎の疾患感受性遺伝子であり、抗ヒスタミン薬や鼻噴霧ステロイドはH1RmRNAの発現を抑制して効果を発揮していることを明らかにした。
また、阿波番茶に含まれている乳酸菌に含まれる化合物(特許出願中)が、アレルギー性鼻炎の疾患感受性遺伝子と考えられているヒスタミンH1受容体遺伝子発現を抑制することを見出した。そこで、阿波番茶と徳島県産桑茶を配合した花粉症改善効果が期待できるサプリメントを開発し、日本漢方医薬研究所(徳島市)との産学連携により商品化した。
顔面神経麻痺後遺症である病的共同運動は、一度、発症すると治療不可能とされてきた。我々は、ボツリヌス毒素を1回だけ注射し、その後、ミラーバイオフィードバック療法によるリハビリを行うことで、ボツリヌス毒素の効果が消失した後も病的共同運動が抑制されることを見出した。
新しい組織要求性亜鉛栄養状態の評価法としてアンギオテンシン変換酵素(ACE)活性比を開発し、臨床検査として応用した。ACE活性比により、血清亜鉛値が低いいわゆる亜鉛欠乏性味覚障害患者だけでなく、血清亜鉛値が正常範囲のいわゆる特発性味覚障害患者も亜鉛欠乏が味覚障害の原因であることを明らかにした。
嚥下障害患者の外耳道をカプサイシン軟膏で刺激することにより、嚥下機能改善する治療法を開発した。
本内視鏡の新規性は、第1に術者が1人で内視鏡の鉗子操作(右手)と患者の舌引き操作(左手)ができることと、局所所見がワイヤレスのモニターで観察でき、同時に記録できることである。第2に内視鏡のプローブが硬性と軟性の中間の硬さであり、手術注に最適の形状に変形させ、操作中はその形状を維持できることである。第3にCCDカメラと鉗子の相対的な位置を最適に設定でき、さらにその位置で鉗子のは先の方向が自由に設定できることである。内臓バッテリによる高輝度LEDライトを抗原とするため、光源ケーブルが不要であり、防水加工されたカメラ部は金属筒とともに消毒できる。全体の形状はピストル型でバランスが取れ、片手操作に適している。
「喉頭咽頭検査治療装置」特許第4469987号、登録日:平成22年3月12日、出願日:平成18年6月23日、特許権者:徳島大学、発明者:武田憲昭、金 昌信