2020年1月19日(日)に徳島大学医学部のスキルスラボにおいて、Tokushima ENT Skills Labを開催しました。このセミナーは、若手耳鼻咽喉科医師を対象に耳/外来、鼻副鼻腔、咽喉頭、頸部の4つのブースに分けて、頭頸部手術のトレーニングを行うものです。
近年、デバイスの発達により頭頸部手術が進歩してきており、4K画像や3Dモニターを使うことにより自分の目で見るよりも、より拡大された鮮明な画像を得ることが可能となってきています。このような機器の進歩により、従来の手術手技に加え、より繊細な手技の習得が不可欠になってきています。
本セミナーには13名の若手医師が参加し、9時から16時まで手術トレーニングを行いました。各ブースには指導医がつき、機器の使用方法、術野展開の方法、手術手技の鍛錬を行いました。
耳/外来ブースでは、側頭骨モデルを用いたTEES(経外耳道的内視鏡手術)や3D外視鏡を用いての観察や機器の取り扱い、4方向可動式処置用電子スコープや鉗子を用いての咽喉頭の異物除去についてのトレーニングを行いました。鼻副鼻腔ブースではパプリカ内に充填したレバーを鼻ポリープに見立て、ESS(内視鏡的副鼻腔手術)を行いました。さらにゆで卵を骨壁モデルに見立て、内視鏡下の骨削開のトレーニングも行いました。咽喉頭ブースではロボット手術(ダビンチ)を想定したFK-WOリトラクターによる開口を行い、フレキシブルスコープや高周波ナイフを用いて咽頭粘膜に見立てた豚の胃粘膜を用い、ELPS(経内視鏡的咽喉頭腫瘍摘出術)を行いました。頸部ブースでは甲状腺付きの豚の気管を用い、3D外視鏡下にエナジーデバイスを用いて、気管切開術のトレーニングを行いました。
このように耳鼻咽喉科全般の手術トレーニングを1日かけて行い、充実したセミナーとなりました。最初は初めて使う機器もあり、その取り扱いに苦労していた実習生も徐々に慣れてきて、うまくできるようになっていきました。トレーニング後のアンケート調査でも、有意義だったと多くの先生から回答をいただいています。今回得た知識や経験が、実際の手術の現場にfeedbackされることを期待しています。今後、定期的に開催することを考えています。