ホーム研修のご案内 > 臨床研修耳鼻咽喉科カリキュラム

臨床研修耳鼻咽喉科カリキュラム

Ⅰ.目的と特徴

耳鼻咽喉科・頭頸部外科臨床研修プログラムの目的は、耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の知識を学ぶとともに、プライマリーケアにも役立つ基本的技術を習得することです。このプログラムでは、鼻出血の止血、鼻骨骨折整復、気管切開など救急外来で必要な手技を身につけるとともに、日常診療で遭遇することの多い急性中耳炎、良性発作性頭位めまい症、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、急性扁桃炎、咽頭・食道異物などの耳鼻咽喉科疾患の診断と治療を実地に経験してもらいます。

Ⅱ.研修責任者

武田憲昭教授

(日本耳鼻咽喉科学会専門医、日本めまい平衡医学会専門医)

Ⅲ.運営指導体制および指導医数(指導医講習会修了者数)

教授1名、准教授1名、講師2名、助教4名、医員8名。日本耳鼻咽喉科学会専門医は12名。研修医1名につき、1人の指導医が選任され、入院患者の診療を共同で行います。指導医講習会修了者は4名。日本めまい平衡医学会専門医は1名。日本気管食道科学会認定専門医は1名。がん治療認定医は2名、頭頸部がん専門医は2名います。厚生労働省認定の補聴器適合判定医師は9名、音声言語機能等判定医師は2名います。

Ⅳ.臨床実績

外来患者数は1日に約80人、手術件数は年に約350例を数えます。入院患者総数は年に約600人です。

診療内容は、頭頸部の眼球と脳脊髄を除く全ての疾患になります。気道である鼻、口腔、咽頭、喉頭、気管の疾患、食物の通路である口腔、咽頭、食道の疾患を扱います。また、聴覚、平衡覚、味覚、嗅覚などの多くの感覚器を扱うと同時に、発声器官や顔面神経などの運動器も扱います。呼吸、嚥下という個体の生命維持に不可欠な機能に加え、聴覚と発声によるコミュニケーション手段として社会生活に必要不可欠な機能を扱います。

Ⅴ.研修目標

一般目標

(外来)

プライマリ・ケアを含む外来診療を適切に実施する能力を養う。

(病棟)

主治医として耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の基礎的臨床能力を持ち、入院患者の全身局所管理が適切に行える。

(治療)

耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の基礎的治療に関する意義、原理を理解し、手術適応を決め、手術手技を習得し、治療前後の管理ができる。

行動目標

  1. 耳鼻咽喉科・頭頸部外科外来において適切な問診、診察を行うことができる。
    • 耳、鼻副鼻腔、口腔咽頭、喉頭、頸部の理学的検査を実施し、所見を判定できる
  2. それらについて適切な検査を選択し、自ら行い、所見を判定できる。
    • 以下の検査を実施し、所見を判定できる
      聴覚検査、平衡機能検査、顔面神経検査、嗅覚検査、鼻アレルギー検査
      内視鏡検査、
      画像検査(X線検査、唾液腺造影検査、CT検査、MRI検査、超音波検査、核医学検査)
  3. 検査結果等を総合して、診断を下すことができる。
    • 以下の疾患について理解する
      感音難聴、伝音難聴、メニエール病、良性発作性頭位めまい、中耳炎
      慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、嗅覚・味覚障害
      口蓋扁桃炎、扁桃周囲膿瘍、アデノイド増殖症、睡眠時無呼吸症候群
      急性喉頭蓋炎、声帯ポリープ、音声障害
      頭頸部腫瘍
      小児難聴、小児言語障害
  4. 適切な治療を選択し、初期治療や救急の処置を行うことができる。
    • めまい発作期の初期治療ができる
      救急医療を要する疾患に対し専門医と共に初期治療が行える
      偶発症に対して迅速かつ的確に処置が行える。
      耳鼻咽喉科・頭頸部外科手術を理解し、その介助ができる
      術前後の管理ができる
      悪性腫瘍の放射線療法および化学療法の適応を理解し、全身化学療法のレジメを指導医とともに考え、施行できる。また、治療による合併症の管理ができる
      診療録の適切な記載ができ、紹介状を書くことができる

Ⅵ.研修内容

1.耳鼻咽喉科診察

耳鼻咽喉科の診断で最も大切なことは自分の眼で視て病態を判断することです。耳鼻咽喉科視診の技術を習得し、視たものがどういう状態であるか判断できる能力を養うことが大切です。たとえば鼓膜を視たいと思っても初心者にとっては簡単な事ではありません。また、鼓膜がどのような病的状態であるかの判断を行うことは、もっと難しいものです。以下に耳鼻咽喉科診察のために習得すべき技術を列挙します。

耳鏡、鼻鏡、間接喉頭鏡、後鼻鏡
鼓膜鏡
鼻用内視鏡、鼻用ファイバースコープ、鼻用電子スコープ
喉頭ファイバースコープ、喉頭電子スコープ
食道鏡、食道ファイバースコープ
気管・気管支鏡、気管・気管支ファイバースコープ

2.耳鼻咽喉科機能検査

耳鼻咽喉科は数々の感覚器を扱います。そのために多種多用の機能検査法があります。これらの検査の意義と実際を学んでいただきます。

聴覚検査 (純音聴力検査、語音聴力検査、脳波聴力検査)
平衡機能検査 (カロリックテスト、眼振検査・電気眼振図、グリセロールテスト)
顔面神経検査 (流涙検査、味覚検査、耳小骨筋反射、誘発筋電図)
嗅覚検査(アリナミンテスト、T&Tオルファクトメーター)
鼻アレルギー検査(鼻汁好酸球検査、皮膚テスト)
唾液腺造影検査(耳下腺造影、顎下腺造影)

3.耳鼻咽喉科外来診療

耳鼻咽喉科の診療のためには、ユニットと呼ばれる診察装置を用います。視診、処置のために有用な器具がまとまり、効率の良い診察が可能です。耳鼻咽喉科的視診と機能検査法を学んだのち指導医と共に外来診療として以下の処置を行っていただきます。

鼻出血止血処置、鼻骨骨折整復、耳処置、鼻処置、咽頭処置、鼓膜切開、
耳管通気、鼻ネブライザー

4.耳鼻咽喉科手術

耳鼻咽喉科の手術は耳科、鼻科、口腔咽頭科、喉頭科、頭頸部外科など多岐にわたります。これらのうち、基本となる以下の手術を指導医のもとで実際に行っていただきます。その他の頭頸部外科の手術については助手をつとめていただきます。

気管切開術、咽頭・食道異物除去術、扁桃周囲膿瘍切開術、喉頭微細手術
アデノイド切除術、口蓋扁桃摘出術、鼓膜チューブ留置術、頸部良性腫瘍摘出術

5.耳鼻咽喉科病棟診療

病棟における処置は、基本的には外来診療と同じく診療ユニットを用います。病棟での業務は手術後の処置が中心になります。頭頸部悪性腫瘍患者に対しては栄養学科とNSTを作り栄養管理を行っており、術後栄養管理の実際も学んでいただきます。

6.教育研究活動

毎週火曜日の回診後に病棟カンファレンスを行い、入院患者さんの診断や今後の治療方針を決定しています。研修医の先生には受け持ち患者の症例報告を行っていただきます。また放射線科医との合同で、放射線治療のカンファレンス、画像診断のカンファレンスを行っています。このカンファレンスにより、病態をどのように把握し、どういった治療方法を選択するかを実際の症例をもとに学んでいただきます。

毎週火曜日の午後6時より、最近の欧文文献の抄読会を行っています。研修医の先生にも最新の論文を読んでいただきその内容を発表していただきます。また、研究カンファレンスでは、各研究者の研究報告が行なわれ、今後の研究方向などが議論されるので、医学の研究の一端に触れていただけると思います。

研修期間中における学会・研究会・勉強会に積極的に参加し、最新の知見を身に付けるようにしていただきます。

Ⅶ.研修スケジュール

各種耳鼻咽喉科疾患患者を担当する。受け持ち患者の検査、治療には責任を持ってあたり、教授回診、病棟カンファレンスでは、症例提示を行います。

外来 月曜日〜金曜日 午前
専門外来 木曜日、金曜日 午後
病棟 月曜日〜金曜日 午後
教授回診 火曜日 午後
手術日 月曜日、水曜日、金曜日
カンファレンス 火曜日
抄読会 火曜日

Ⅷ.評価法

研修責任者と指導医が研修態度、症例提示、患者さん・家族・スタッフへの対応、知識・技術の習得度などを総合的に評価し、研修終了時にフィードバックをします。最終的評価はオンライン臨床研修評価システム(EPOC)を用いて行います。

ページの先頭へ